- 管理栄養士になるメリットは何?
- 国家試験は誰でも受けられるの?
- 管理栄養士になったらどんな職場で働くことになるの?
管理栄養士は食のスペシャリストであり、今後も需要が絶えない資格といえます。
資格を取得するためには、必ず養成施設を卒業して国家試験に合格する必要があり、容易に取得できる資格ではありません。
私自身、管理栄養士養成施設に4年間通った後、国家試験に合格して管理栄養士の資格を取得しましたが、その時の勉強量は今までに受けた試験の中でも比ではなかったです。
ただし、管理栄養士は国家試験に一度合格すれば更新の必要がないので、永久に資格を保持できるというのが特徴です。
- 管理栄養士を取得するメリット・デメリット
- 管理栄養士の資格を取得するまでの流れ
- 管理栄養士の主な職場と仕事内容
管理栄養士の資格を取得するメリットとデメリットは以下のとおりです。
メリット | デメリット |
---|---|
活躍の場が多い 将来性がある 資格取得後は更新が不要である 日常生活でも生かされる | 職場によって年収にばらつきがある 仕事量が多い 日々変化する情報を更新するために勉強が必要 |
管理栄養士を取得する4つのメリット
- 活躍の場が多い
- 将来性がある
- 資格取得後は更新が不要である
- 日常生活でも生かされる
活躍の場が多い
管理栄養士になるメリットとして、職場の多さが挙げられます。
- 病院
- 公務員
- 保育園
- 特別養護老人ホーム
- 食品メーカー
>>職場ごとの仕事内容の違いはこちら
活躍できる職場が豊富にあることから仕事の幅が広がり、キャリア・スキルアップにも役立ちます。
また、病院や公務員など安定性が高い職場が多いのも特徴の一つです。
将来性がある
日本では急速に高齢化が進行しており、高齢化率は28.9%にも上ります。
65歳以上人口 | |
令和3年 | 約2.9人に1人 |
令和47年 | 約2.6人に1人 |
管理栄養士の仕事には、嚥下食の作成や低栄養予防などがあります。
そのため、高齢化社会では欠かせない、将来性のある資格といえます。
資格取得後は更新が不要である
管理栄養士の資格を一度取得すれば、更新の必要がないというのが特徴です。
更新の必要がないので費用や手間がかからず、永久に国家資格保持者でいられます。
資格手当は1万円~3万円程度であることが多く、正社員の求人も豊富に出ています。
資格があれば育児や介護などで一時的に休職していても、資格を生かして再就職をすることが可能です。
日常生活でも生かされる
正しい食生活は健康を維持するために欠かせません。
管理栄養士は食のスペシャリストであるため、その知識を自分や家族の健康のために生かすことが出来ます。
そのため休職中の間でも、その能力を家庭で十分に発揮することが可能です。
日々の調理や食材選び、食物アレルギー等の対応も出来て、食の知識が豊富であることは管理栄養士の強みといえます。
管理栄養士にを取得する3つのデメリット
- 職場によって年収にばらつきがある
- 仕事量が多い
- 日々変化する情報を更新するために勉強が必要
職場によって年収にばらつきがある
厚生労働省 賃金構造基本統計調査 令和4年から管理栄養士の平均年収は379万円と算出されます。
また、国税庁 民間給与実態調査で、日本人の平均年収が443万円と公表されています。
そのため、管理栄養士の年収は日本全体の平均より約64万円も低いです。
管理栄養士の給与相場は平均して一般職よりも低いことが分かります。
ただし、職場によっては年収が高い職場もあるので、あらかじめ確認しておくと良いです。
仕事量が多い
管理栄養士の仕事は多岐にわたります。
中でも厨房業務では、大きな鍋で調理したり、1日中立ち仕事であったりと日々のハードワークで体を壊してしまうこともあります。
私が以前働いていた職場では、夏の厨房内温度や湿度が指定のギリギリラインであり、そんな中で加熱調理をするというかなり過酷な職場でした。
また、職場によっては、早番や遅番といったシフト管理によって、生活リズムが崩れやすいというのもデメリットであると感じます。
日々変化する情報を更新するために勉強が必要
食に関する情報は常に更新されています。
そのため、基本的な知識を備えておくだけでなく、新しい情報にもアンテナを張っておく必要があります。
管理栄養士として誤った情報を広めてしまうことがないように、日々の勉強が必要です。
管理栄養士の資格を取得する2つの方法
管理栄養士の資格を取得する方法は主に以下の2種類があります。
- 管理栄養士養成施設で学び、管理栄養士国家試験に合格して取得する方法
- 栄養士養成施設で学んだ後に、受験に必要な年数だけ栄養士として働き、管理栄養士国家試験に合格して取得する方法
管理栄養士や栄養士の養成校に夜間の学校や通信教育はないので、必ず日中に学校に通う必要があります。
管理栄養士養成施設で資格を取得する
所定の単位を取得して卒業することが必要です。
管理栄養士養成施設を卒業と同時に栄養士資格が取得できます。
管理栄養士国家試験の試験科目
- 社会・環境と健康
- 人体の構造と機能及び疾病の成り立ち
- 食べ物と健康
- 基礎栄養学
- 応用栄養学
- 栄養教育論
- 臨床栄養学
- 公衆栄養学
- 給食経営管理論
配点を1問1点とし、200点満点中、総合点で約60%の正答率(120点以上程度)が合格基準
厚生労働大臣の免許を受けて管理栄養士になります。
栄養士養成施設で資格を取得する
栄養士養成課程のある大学、短期大学、専門学校に入学し、所定の単位を取得して卒業することが必要です。
栄養士養成施設を卒業と同時に栄養士資格が取得できます。
必要な実務経験年数は、養成施設での修業年数により受験に必要な働く年数は異なります。
- 2年制の栄養士養成施設を卒業 → 3年以上の実務
- 3年制の栄養士養成施設を卒業 → 2年以上の実務
- 4年制の栄養士養成施設を卒業 → 1年以上の実務
出題形式については、正しいもの(5つの選択肢から1つ又は2つの正解肢)を回答することを原則とする、マークシート方式です。
栄養管理を実践する上で必要な思考・判断力を評価する問題では、最も適切なものを問うこととしています。
厚生労働大臣の免許を受けて管理栄養士になります。
参考:公益社団法人 日本栄養士会 (dietitian.or.jp)
管理栄養士の主な職場と仕事内容
- 病院
- 公務員
- 保育園
- 特別養護老人ホーム
- 食品メーカー
管理栄養士の職場は様々で、活躍の場が多いのが特徴です。
職場によって仕事内容も異なるので、それぞれの職場の仕事内容をまとめました。
>>管理栄養士の職場ごとに求人数を比較した転職サイト・エージェントのまとめはこちら
病院の主な仕事内容
- 患者への栄養指導
- イベント食の提案
- 入院患者の献立の作成
- 食材の発注
- 調理指導
- 喫食量、嗜好、検査値を考慮して適切な食事の提供
公務員の主な仕事内容
- 栄養相談
- セミナーの開催
- 特定保健指導
- 離乳食教室
- 乳幼児健診
- 災害時の被災地での栄養に関する個別相談
- 高齢者向け食品、アレルギー対応食品の提供
保育園の主な仕事内容
- 食育だより・給食だよりの作成
- 離乳食指導
- アレルギー指導
- 調理
- 食材発注、献立作成
- 食に関するクイズや紙芝居
- こどもの日やクリスマスなどの行事食
特別養護老人ホームの主な仕事内容
- 入所者への食事提供
- 利用者が低栄養にならないように計画書を設定
- ミキサー食やきざみ食など利用者に合わせた食事を提供
- イベント食・行事食の提供
食品メーカーの主な仕事内容
- 商品開発
- コンセプトの立案
- レシピ作成・試作の研究検討
- 製造委託先の選定
- 量産化の立ち合い
- ブランド名の立案
- 広報活動(ネットやSNS)
管理栄養士を取得するメリットとデメリット|まとめ
管理栄養士を取得するメリットとデメリットは以下のとおりです。
メリット | デメリット |
---|---|
活躍の場が多い 将来性がある 資格取得後は更新が不要である 日常生活でも生かされる | 職場によって年収にばらつきがある 仕事量が多岐にわたる 日々変化する情報を更新するために勉強が必要 |
管理栄養士を取得するには、養成校に通い卒業した後に、国家試験に合格する必要があります。
養成施設や修業年数によっては、実務経験がないと受験を受けることも出来ないので、管理栄養士の資格取得に必要な流れを確認しておくようにしましょう。
プロフィール
- 管理栄養士の転職に関するブログを運営中
- 委託給食、保健センター、保健所、特定保健指導員を経験
- 管理栄養士のほかに、フードスペシャリスト資格、専門フードスペシャリスト(食品開発)資格を所持
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